腰椎椎間板ヘルニア

症状

症状
ヘルニアのイメージ

腰、臀部、下肢に痛み(急性痛)を感じる状態です。 下肢の力が入りにくくなる場合やしびれが出る場合もあります。

ヘルニアとは椎間板(線維輪)から髄核が飛び出した状態をいいます。(レントゲン、MRIなどで確認できます。)

痛みの原因

痛みの原因となる筋肉(股関節屈筋群)
股関節屈筋群
大腰筋、腸骨筋

股関節での大腿の屈曲

大腿直筋

股関節の屈曲

大腿筋膜張筋

股関節での大腿の屈曲、内旋、外転

腰腰椎椎間板ヘルニアの原因は、腰に発生した怪我(炎症)です。

股関節屈筋群、股関節伸筋群が筋拘縮により伸びないため、腰回りの筋肉に負担がかかり筋拘縮が増えます。そして腰回りの筋肉の拘縮が増えた状態で、更に腰に負荷がかかることにより椎間板(線維輪)から髄核が飛び出し怪我をした状態になり炎症が発生します。

腰腰椎椎間板ヘルニアを発生させないようにするためには、あらかじめ腰回りの筋拘縮を緩めておくことが重要です。

腰椎椎間板ヘルニア発生までの流れ
STEP
腰回りの筋拘縮が増加する

身体の負荷や怪我などにより、腰回りの筋拘縮が増加します。

STEP
テコの原理による腰への負担増加

腰が痛い、痛くないを繰り返すが、筋肉が緩んでいないため、痛くなくても筋拘縮が更に増加します。

STEP
腰椎椎間板ヘルニア(急性痛)が発生する

筋拘縮が更に増加し可動域が悪くなった状態で、更に負荷がかかった時に、腰が怪我をします。

参考:テコの原理

テコの原理のイメージ
テコの原理は大きな力を発揮しやすいイメージ

テコの原理は、支点、力点、作用点の関係があり大きな力を発揮しやすいという特徴があります。

肘関節のテコの原理発生のイメージ
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関節をまたぐ筋肉が拘縮
肘関節を曲げている時のイメージ

関節をまたぐ筋肉が拘縮し伸びない状態になっていた場合

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支点(関節)に強い力が加わる
肘関節を伸ばした時に負荷がかかるイメージ

腕を伸ばすと関節(支点)に強い力が加わります。

関節をまたぐ筋肉が拘縮し伸びない状態になっていた場合に腕を伸ばしたらどのようになるでしょうか。

答えは、関節(支点)に強い力が加わります。これが腰でも発生しています。

ヘルニアの原理

実際の腰椎椎間板ヘルニアの画像

左側がお腹、股関節前、右側が背中、腰の図になります。
お腹、股関節の筋肉が拘縮している状態で、前傾姿勢からまっすぐ立つと何が起きるかわかるでしょうか?

椎体をクッキー、椎間板をマシュマロに例えて腰椎椎間板ヘルニアになる原理を説明します。

ヘルニアの原理
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正常な腰椎の状態

正常な腰椎は、柔らかい椎間板がクッションの役割をしています。

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筋拘縮により椎間板の前側が潰される

お腹や股関節周りの筋拘縮により前傾姿勢になりやすいために、椎体により椎間板の前側が潰されるような負荷がかかります。

STEP
テコの原理により腰椎椎間板ヘルニアになる

筋拘縮による前傾姿勢から立ち上がると、テコの原理により、腰(支点)に負荷がかかり、線維輪から髄核が飛び出して腰椎椎間板ヘルニアになります。

線維輪から髄核が飛び出した時は炎症により強い痛みを感じます。

椎間板の前側が固定されるので、立ち上がった時にテコの原理で押し出されるように髄核が飛び出します。
腰部椎間板ヘルニアのレントゲンを見ると、ほとんどが髄核が腰側の後ろに飛び出しています。

神経圧迫による痛みは本当でしょうか?

神経痛一般の発現機序

痛覚線維の生理的興奮は、その末梢の自由終末にある痛覚受容器(侵害受容器)が刺激されたときにみられる。

自由終末と脊髄を継ぐ部分からインパルスが発生することはめったにない。

神経根痛

脊髄後根を圧迫すると神経根痛(radicular pain)がでて、圧迫された後根の支配領域に痛みが走るとみられている。しかし、この考えは特別な場合にしか通用しない。たとえば、脱髄線維を含む脊髄後根への機械刺激は神経根痛を誘発するが、正常な脊髄神経根の圧迫は痛みを生じない。

バルーンカテーテルを使って正常人の脊髄神経根を圧迫すると、錯感覚(paresthesia)と感覚鈍麻が誘発されるが痛みではない。正常な脊髄後根を牽引しても痛くない。しかし、傷害歴のある脊髄神経根を鑷子で圧迫したり、縫合糸をかけて牽引したりすると、特徴的な神経根痛が走る。

(加茂)

自由終末と脊髄を継ぐ部分からインパルスが発生することはめったにない。

特徴的な神経根痛と思われたときは、ヘルニアよりは神経腫とか神経の傷害、脱髄を想定すべき。私は残念ながらそのようなヘルニアにかかわる痛みをみたことがありません。医師としてめったにないこともでも一応想定すべきことではあるが、まずはもっとも多いことを想定して治療にあたるべきである。

(外部リンク:加茂整形外科医院(「臨床医のための痛みのメカニズム」)より引用)

手術は本当に必要でしょうか?

院長

私は腰部脊柱管狭窄症と診断された元患者でした。
※腰椎椎間板ヘルニアも同様の症状と考えております。

私はストレッチ、マッサージ、筋トレで悪化し痛みから開放されなかった者の一人です。


どこに行っても改善しなかった歩行不能の状態から新手技療法の筋肉弛緩療法で救われました。(手術は受けておりません。)

改善可否

筋拘縮が原因の慢性痛の場合は、筋肉弛緩療法による改善が可能です。

注意
  • 炎症による痛みが強い場合は、2~3日程度様子を見ていただいてからお越しください。
  • 疾病、怪我(打撲、骨折)、難病等の痛みについては、治療院をおすすめする場合も御座います。

まとめ

まとめ
  • 痛みの原因は、筋拘縮による髄核が飛び出したことによる怪我(炎症)
  • 痛みの改善方法は、筋肉弛緩療法による筋拘縮の解除
  • 筋肉弛緩療法は、硬い筋肉に負荷が掛からない姿勢をとり90秒間キープする手法

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